俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


こ、これって……か、間接キスじゃ……。


私は、思わず固まってしまう。


「ん? なに目丸くしてんの? みつ」


朝陽くんが自分の唇を、親指の腹で拭う。


「え? だって、間接キ……んっ」


言葉の途中で、私は朝陽くんに唇を奪われた。


「なーに今更。俺ら、いつもこうしてキスしてんじゃん」

「……っ」


そっ、そうだけど。


いつもほとんど、朝陽くんからだけどね。


あ。朝陽くんといえば。


朝陽くんへの誕生日プレゼント、まだ渡していなかった。


私はバッグから、ラッピングされた白の袋を取り出す。


「朝陽くん、これ。誕生日プレゼントなんだけど……」


私は、プレゼントを朝陽くんに渡す。


「おー、まじで? これ、俺に?」


朝陽くんの表情が、パッと明るくなる。


「みつ、サンキュ。……開けて良い?」

「もちろん」


初めての彼氏への誕生日プレゼント。
何が良いのかすごく悩んで、選んだモノ。


朝陽くんがラッピングの袋を解くのを見ていると、自分もドキドキする。


朝陽くん、気に入ってくれると良いなぁ。


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