俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「あっ、古賀さん!」
私を見るなり、パッと笑顔になる。
「新学期の朝から古賀さんに会えるなんて、嬉しいなぁ」
学校の王子様こと、一之瀬 朝陽くん。
「一之瀬くん、私に会えて嬉しいって。そういうこと、誰にでも言っているんでしょう?」
自分で言っておきながら、可愛くないなって思う。
「いやー、古賀さんひどいなぁ。いくら俺でもこんなこと、好きな子にしか言わないよ」
え!? " 好きな子 " って。
一之瀬くん、もしかして私のことまだ諦めてないの?
春休み中にもしかして諦めてくれてるかも……という期待が、私の中であっさりと砕け散る音がした。