俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「あっ、古賀さん!」


私を見るなり、パッと笑顔になる。


「新学期の朝から古賀さんに会えるなんて、嬉しいなぁ」


学校の王子様こと、一之瀬 朝陽くん。



「一之瀬くん、私に会えて嬉しいって。そういうこと、誰にでも言っているんでしょう?」


自分で言っておきながら、可愛くないなって思う。


「いやー、古賀さんひどいなぁ。いくら俺でもこんなこと、好きな子にしか言わないよ」


え!? " 好きな子 " って。


一之瀬くん、もしかして私のことまだ諦めてないの?


春休み中にもしかして諦めてくれてるかも……という期待が、私の中であっさりと砕け散る音がした。


< 37 / 341 >

この作品をシェア

pagetop