俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
す、好き!?
今……この人、私に『好き』って言った?
私の聞き間違いでなければだけど。
……え? え!?
でも、" あの " 王子様が、この私に告白なんて……嘘でしょ!?
うん、ないない。ありえない。
予想外のことに何も言えず、ひたすら目を瞬かせる私に微笑んで、王子様が言葉を続ける。
「あれ? もしかして……」
王子様が、私に近づいてくる。
そして突然、私の顔を覗き込んだ。
「ひっ!」
いきなりのことに、私は変な声が出てしまう。
かっ、顔が……ちっ、近い。
ていうか男子なのに、まつ毛がとっても長い!
あまりにも綺麗な顔がすぐ目の前にあって、直視できずに私は目を逸らした。
「もしかしてキミ……俺のこと、知らない?」
いや……よく知っていますとも。
むしろ、この学校で王子様を知らない人は、いないんじゃないかな?
「一之瀬 朝陽くん……ですよね?」
「あ、知っててくれたんだ。良かった。嬉しいなー」
パッと花が咲いたような笑顔になる。
これが、噂の “ 朝陽スマイル ” ってやつか。
ていうか、そんなに嬉しがるようなことなのかな?