俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


す、好き!?

今……この人、私に『好き』って言った?

私の聞き間違いでなければだけど。


……え? え!?


でも、" あの " 王子様が、この私に告白なんて……嘘でしょ!?


うん、ないない。ありえない。


予想外のことに何も言えず、ひたすら目を瞬かせる私に微笑んで、王子様が言葉を続ける。


「あれ? もしかして……」


王子様が、私に近づいてくる。


そして突然、私の顔を覗き込んだ。


「ひっ!」


いきなりのことに、私は変な声が出てしまう。


かっ、顔が……ちっ、近い。

ていうか男子なのに、まつ毛がとっても長い!


あまりにも綺麗な顔がすぐ目の前にあって、直視できずに私は目を逸らした。


「もしかしてキミ……俺のこと、知らない?」


いや……よく知っていますとも。


むしろ、この学校で王子様を知らない人は、いないんじゃないかな?


一之瀬(いちのせ) 朝陽(あさひ)くん……ですよね?」

「あ、知っててくれたんだ。良かった。嬉しいなー」


パッと花が咲いたような笑顔になる。


これが、噂の “ 朝陽スマイル ” ってやつか。


ていうか、そんなに嬉しがるようなことなのかな?


< 4 / 341 >

この作品をシェア

pagetop