俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
その直後、教室に悲鳴が上がったのは言うまでもなく。
「王子様、あのメガネの子が好きなの?」
「うそ〜っ」
女子のひそひそ声が聞こえてくる。
それに加えて、何人もの女子のきつい視線が、背中にグサグサ刺さるのを感じる。
こんなんじゃ、高校2年生の初日でさっそく他の女子に目をつけられちゃったかな?
クラスで浮くのだけは避けたいのに。
「あ、ごめーん。なんか俺、皆の前で古賀さんが好きって宣言しちゃったみたいだね。 ははっ」
そんな爽やかな笑顔で、悪びれもなく言わないでくれます?
「まぁ、それだけ俺が……」
一之瀬くんは、唇を私の耳元に近づけてくる。
「キミに本気、ってことだから」
他の皆には内緒とばかりに、私にだけ聞こえる低い声で言う。
しかもさっきから、一之瀬くんが話すたびに息が耳にかかってくすぐったい。
「絶対に俺のこと、惚れさせてやるから」