俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


ついに言ってやった! と、思ったのに。


「またまた〜古賀さんってば、照れちゃって」


どうしてそうなるわけ!? 一之瀬くん。



「それじゃあ、古賀さん。彼女がダメならまずは、俺と友達になってよ」


一之瀬くんが、ニコニコと片手を差し出してくる。


もしかしてこれは、握手しろってこと?


「友達なら断る理由、ないでしょ?」


笑顔で首を傾げる、一之瀬くん。


なんだか、子犬みたいで可愛い……って、何変なこと思ってんの私!


「良いよね? 古賀さん♪」


今、完全に彼のペースにのせられているってのが少し悔しい……けど。


残念ながら、新しいクラスメイトからの友達申請を断る理由なんて思いつかない。


「はい……」


私も渋々、手を差し出した。


ギュッ。


握った一之瀬くんの手は大きくて、ゴツゴツしていて温かい。


私のとは違う、男の子の手なんだって感じた。


すらりと伸びた長い綺麗な指。
爪だってツヤツヤだ。


長袖シャツは肘まで捲り上げられており、そこから見える、筋が浮き出て角ばった腕にドキッとした。


< 49 / 341 >

この作品をシェア

pagetop