俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「今日からよろしく、美月」

「え」


ちょっと! いきなり、名前呼び捨て!?
軽いにも程がある!


「俺ずっとキミのこと、下の名前で呼びたかったんだよね。友達だから、良いでしょ?」


う……。それを言われると、何も言い返せない。私は仕方なく頷いた。



一之瀬くん……少し馴れ馴れしいというか、まぁ良く言えば積極的?


「何なら俺のことも" 朝陽 " って、呼んでくれて良いんだよ?」


そもそも仲良くもないのに。


ましてや学校の王子様のことを、軽々しく名前で呼ぶなんてできない。ファンの女子に睨まれる。


「いえ。今まで通りに " 一之瀬くん " で結構です。それとも……王子様?」


「頼むから王子様は、ヤメテ」


あら、速攻で否定してる。


" 王子様 " って呼ばれるの、本人は嫌なのかな。


でも、もし私が “ お姫様 ” とか、そういうふうに呼ばれたら嫌だもんな。


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