俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「あ。古賀ちゃん、顔真っ赤〜」
「おい、真宙! さっきから何やってんだよ」
一之瀬くんが、焦ったように席から立ち上がる。
「美月は、俺のだから」
いや、一之瀬くんのではないけど。
「分かってるよ、朝陽。お前がこの前フラれたって言ってた相手が、どんな子かなーってずっと気になってたから。少し鑑賞してただけ」
「つーか、早く美月にメガネ返してやれよ」
「あー。そうだな。古賀ちゃんごめん」
澄野くんがやっと、メガネを返してくれた。
ぼやけていた視界が、ようやくクリアになる。
「古賀ちゃん、メガネかけてないほうがもっと可愛いのに。勿体ないね」
繰り返し可愛いとか、絶対お世辞だ。
見た目がチャラい人は、一部の人を除いて、きっと中身も基本チャラいんだ。
「うーん。やっぱり俺……」
またもや澄野くんの顔が、ぐっと近づいてくる。
「古賀ちゃんのこと、狙っちゃおうかな〜」