俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「それにしても成宮の奴。俺の前では、猫被ってるだろうとは思ってたけど。何だよ! 『地味でブスな子』とか、『じみつき』って。
あー! なんか俺までバカにされた気分」
一之瀬くんは、髪をわしゃわしゃっとしている。
一之瀬くん。そんなに何度も髪をわしゃわしゃしたら、せっかくきれいにセットされてる髪が台無しになっちゃう。
それに、一之瀬くんが言われた訳じゃないのに怒ってくれてるの?
「なぁ、美月。もしかして昔、成宮と何かあった……?」
「え? あ、えーっと……」
一之瀬くんに……話していいのかな?
でも、同じクラスになってまだ1日目だし。あの話をするのは……どうだろう。
高校で新たに知り合った人は、まだ七星にしか中学時代の話はしていないから。