俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
隣の美月を、じーっと見つめる俺。
「一之瀬くん……何か用ですか?」
俺の視線に気づいたのか、美月が眉を寄せる。
「美月の可愛い顔を見てた。悪い?」
「かわ……!? おっ、お世辞はやめてくださいっ!」
「えー? 俺、お世辞は一切言わないんだけどなぁ」
美月の頬に、赤い薔薇の花が咲く。
ははっ。まーた、赤くなっちゃって。
照れてんのかな?
こういう反応も、いちいち可愛い。
だからつい、構いたくなる。
俺は幼稚だと自分で分かりつつも、メガネを掛けようとしている美月の手から、強引にメガネを取り上げる。
「かっ、返してくださいっ!」
「えー? やーだ。これは、もう少しだけ俺が預かっとくよ」
「えぇ? 私、メガネがないと何も見えない……っ」
「それじゃあ……こうしたら、見える?」