俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「あの……一之瀬くん。ここ、教室だから。もうすぐ皆、登校して来るし。
こんなに互いの顔を近づけて、見つめ合ってるようなところを、もし誰かに見られたら……きっと、勘違いされちゃう」
だから……早く顔を離して欲しい。
一之瀬くんも、私が彼女だって思われたら、困るでしょう?
「勘違い……って? どんなふうに?」
艶やかに、悪戯っぽく尋ねられる。
う……絶対この人、分かっててこう言ってる。だって今、ニヤリと口角が上がったし。
「わっ、私と一之瀬くんが……つ、付き合ってるんじゃないか? って」
「ふーん。俺は、別に構わないけど? 美月と、そういう関係だって思われても。
だって俺は、最初に美月に告白したときからずっと、それを望んでいるわけだし?」
最初に告白したときからって、もう1ヶ月経ったのに……。
「俺が今こういうことしてるのも、美月とだからだけど。美月は……イヤ?」
一之瀬くんに、上目遣いで見られてドキリとする。