俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


──ガラッ!


「おっはよー! って、何お前ら朝から2人で見つめ合ってんの?」


そのあとすぐに教室の扉が開いて、澄野くんが中に入ってきた。


それと同時に、一之瀬くんは、近づけていた顔をパッと離してくれたけど。


びっ、びっくりしたー。


「ヒューッ! 朝陽と古賀ちゃん、朝からあっついね〜。2人きりで何やってたんだよー? もしかして、イケナイコト?」


澄野くんが、からかってくる。


今の、澄野くんに……みっ、見られてしまった?



「真宙お前、うっさい。黙れ。これ以上言うと、息の根を止めるぞ?」


うわ……一之瀬くん、口悪っ。そして、なんてことを。


王子様みたいな見た目と今の口調が、合わなさ過ぎて……ちょっと慣れない。


そんな一之瀬くんに対して、澄野くんは何食わぬ顔してるし。

やっぱりこの口の悪い一之瀬くんが、素の一之瀬くんなんだ……。



「美月、続きはまた今度な?」


一之瀬くんが内緒話するみたいに、こそりと囁く。


「え……」


そして一之瀬くんは、何事も無かったかのように、涼しい顔をして椅子に座り直す。


こっ、今度って。

もしかしてまた、こんなことされるかもしれないってこと!?


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