俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
至近距離で互いの顔を見つめ合っていたのは、時間にするとほんのわずかだっただろうけど……。
私の頬は、まだ熱を帯びていて。
心臓だってまだ、苦しいくらいバクバクしている。
ていうか、ドキドキしていたのは私だけだったのかな?
一之瀬くんは、余裕って感じの顔をしていた。
いつも一之瀬くんは、すごく女の子に慣れてるって感じだし。
私と違って、元カノ……とかもいるんだろうし。
あれだけ毎日のように女の子に告白されて、キャーキャー言われてモテるんだ。当然か。
って、あれ? こんなこと考えてたら、なんだか胸がいつもよりしんどいような。
朝からたくさん、ドキドキしたせいかな……?
キーンコーン……
「おい、みんな早く席つけよー」
色々考えているうちにチャイムが鳴り、1限目の日本史の先生がやってきた。
私も前を向き、教科書を出した。
【美月 side * end】