俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
──キーンコーンカーンコーン……
1限目の授業が終わり、休み時間。
「おーい日直、黒板消しといてー」
1限目の日本史の先生がそう告げて、教室を出ていく。
日直の美月はすぐさま、黒板の前まで歩いて行く。
……多分美月、届かないんじゃないか?
俺は、黒板の前に立った美月を見て思った。
さっきの日本史の先生は、黒板の一番上まで字を書いている。
ああ……やっぱり、思った通り。
今、美月は黒板の1番上の文字を消そうとしてるみたいだが、背がそんなに高くない彼女は、どうも手が届かないらしい。
さっきから黒板消しを持って、美月は必死に黒板の前でジャンプしている。
かっ、可愛い。一生懸命な、小柄な後ろ姿。
あんなに何度もぴょんぴょん跳ねて……何だ、あの可愛すぎる小動物は。