俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
俺は、美月のいる黒板のほうへと向かう。
「美月、黒板消し貸せよ」
「え!?」
俺は、美月のすぐ後ろに立つと、美月が持っていた黒板消しを奪い取る。
「一番上、届かないんでしょ?」
「うっ、うん」
驚いた顔で、俺を見上げる美月。
俺は、黒板の一番上の文字をサッと消すと、自席へと戻った。
「あっ、ありがとう、一之瀬くん。届かなくて困ってたから、助かったよ」
「おー」
つーか、美月めっちゃ笑顔。
あーやば。めちゃくちゃ可愛い。
笑顔の癒され効果がすごい。
美月のこの笑顔を、ずっとそばで見ていたいって思う。
俺は、美月の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
「……チョークの粉、頭に少しついてた」
「え、ほんとに!? ありがとう」
「おう」
……というのは、嘘で。
本当は、美月の頭を撫でるための口実だったってことは……もちろん美月には内緒。