光と闇の伝説 <巻の壱 リヒト編>
…きっと。
――戦争――
その言葉を聞いて、
僕は少しだけだけど、
ママとパパの事を思い出した。
いや、ママとパパが戦争なんて訳ないけど。
何故か死んでしまったパパとママが思い浮かんだんだ。
ローザンが、僕の手を掴んだ。
「リヒト!早く此処から逃げないと!巻き込まれると、とんでもないことになる!」
僕はうなずいた。
「分かった!じゃあローザン、早く行くよっ!?」
僕はローザンの手を逆に引っ張り、駆け出した。
「―――リ…ト…!」
ローザンが、後ろで何か叫んだけど、銃声に掻き消された。
「リヒト…そっ…は…!!」