光と闇の伝説 <巻の壱 リヒト編>
襲撃
さてと。
とローザンが元の顔に戻ってから呟いた。
いつもの、真剣な眼差し。
「リヒト。
いいか。俺たちは今、戦争を直ぐ傍でやっている国にいる。」
ローザンは、続ける。
「つまり、下手をすると俺たちも戦争に巻き込まれるかもしれない…」
……そうだ。くずくず座り込んでいちゃいけない。
「戦争で死んだら、元も子もないだろ。今は逃げる事を考えよう。」
ローザンが、一段落ついて、
黙った。
何か考えている。
ローザンは、立ち上がろうとした。
それにしても、珍しい、と思った。
12、3の木が丸い円を描き、その中に僕たちはいる。