光と闇の伝説 <巻の壱 リヒト編>
ローザンのパパとママは、僕を育てた為に食費が払えなくなってしまった。
僕のせいで。
それは昨日の事だった。
「リヒト、良く聞きなさい。」
いつも無口なローザンのパパがチョビヒゲが生えた口を開いた。
これは重大な話が始まる合図。
「リヒト。
家にはもう金が無いんだ。
お前たちのパンを買ってやることも出来ない程に。
………でも、ローザンも一緒に行ってくれる。心配するな。」
…初めは何の事を言っているのか解らなかった。
すると、ローザンのママが言った。
「リヒトごめんなさい。もう家にはお金が無いの。
…でもこれだけは分かって。
私たちは何があっても家族だから。
パパもママもあなたの事を愛してるから。」