諦 念
▪▪二人(明奈と実)
あれから、三年。
明奈とは、うまく行っている?
明奈は、俺の仕事を理解して
まぁ、無理矢理理解しようと
している···かな。
維持らしい程に。
この三年の間
出掛けることも数えるくらい
その上、買い物をしても
食事をしても
娘さんですか?
お父様と一緒で?
とか、言われる日々
最初は、剥きになって
弁解していたが
今では、二人で顔をあわせて
笑えるようになった。
平日は、中々会えないが
金曜日の仕事終わりに明奈が
駅につくから迎えに行き
土日は、家で過ごしたり
出掛けたりする。
明奈は、鎌倉を気にいって
散歩に良く行く。
初めは、ご近所さんも病院の
スタッフも???
って感じだったが
今では····
「捨てられないようにしてくださいね。」
と、言われる始末。
明奈は、妻のお墓にも
きちんと、挨拶してくれた。
家の中も妻がいた時のままで
栞那から言われるまで
そのままだったが。
リフォームをした。
水回りのキッチン
トイレ、お風呂
リビングを少しと寝室
栞那の部屋の隣、日当たりの
良い場所に亡き妻の部屋を。
明奈がきかないから。
本当に、こんなジジイに
出来すぎた娘で
愛しさしかない。
付き合って半年でキスをした。
中々、それから先に進めなくて
明奈から押し掛けられた。
そんな生活からも
かけ離れていた····から·····
明奈は、
「自分に魅力がらないから。」
と、言ったが
そんなことがあるわけない。
今も横に意識を飛ばして
寝ている明奈を抱き締める
今回、栞那と朝陽君の
報告を受けて
俺もそろそろきちんと
しなければ、と思っている。
明奈は、お母さんには
俺の話をしているらしいが。
やはり、父親だよな。
と、思いながら
明日の朝、明奈に話をしようと
明奈の左手に指輪を嵌めて
「明奈、愛してる」
と、オデコにキスをすると
スリスリと俺の胸に
すり寄ってくる明奈を
深く抱き締めてから
目を閉じた。
朝·····
「きゃーっ······み··みの··る··っさん?」
と、騒ぐ明奈に
「明奈、うるさい。」
と、言うと
「だって·····」
と、涙声になるから
抱き締めてキスをする
「明奈、俺の籍に入って。」
と、言うと
涙を沢山ためた瞳で
何度も頷く明奈に
「愛してる。」
と、伝えると
「···わっ···わた···し··も····」
と、答えてくれたから
その場で組みしだく。
二人で果てると
「もぅ、プロポーズに酔いしれて
いたのに。」
と、言うから
「えっ、気持ち良さそうだったけど。」
と、返すと真っ赤になって
「ばっ、バカっ」
と、言う明奈を抱き締めて
「幸せになろうな。」
と、言った。
明奈の御両親に挨拶の予定を
決めてもらう。
さぁ、お父さんにどれだけ、
嫌がられても、頼み込む
土下座でもなんでもやる。
気合いをいれて行こう。