諦 念
5〗

▪▪波乱?


私達の結婚パーティーは、
ごく一部の仲良しだけに
参加をお願いした。

私達のデザインインテリア課の
部長や仲間と専務
同期と明奈、20名

父と父の病院の師長さんと
助産婦さんが病院代表で、

朝陽さんの御両親と親戚の方々

総勢で50名。


式まで後二ヶ月と
 なった時に···········

美術館の建築の依頼があり
デザインは、社内選考の結果
他店の方が選ばれた。
インテリアに関しては、
クライアントの意向で
海外から見えるらしい。

今日は、初回の打ち合わせが
行われる。

専務、部長と朝陽さんは今
課長となっている。
インテリアデザイン課の全員と、

デザインが選ばれた神奈川支店の
西山 恵(にしやま けい)さん37才と
今後の勉強を兼ねて
甲斐 真人(かい まさと)さん25才。


インテリアの·····方··は·····
入って来てびっくり
こうき····だった。
日焼けをして髭を生やしている。

朝陽は、専務をすぐに見て
私の元にきたが
「大丈夫だよ。」
と、伝えると頷いて腰かける。

それぞれが、挨拶をする。

午前の打ち合わせが終わると
専務から部長と朝陽と私が
呼ばれて四人で昼食を取る。

その時に専務から
一瀬 光輝について説明があった。

あれからドイツに渡り
家具職人としていちから学んだと。

今では、ドイツでも有名な職人さんの
一番弟子となっている。
今回の美術館のオーナーは
ドイツの家具を特に気に入っている
との事で一瀬が選ばれた、と。

あれ以来一度も日本へ
帰国していないと専務より
「今日の打ち合わせが
終われば三瀬さんは、
この案件に関わる事はないが
大丈夫ですか?」
と、言われて
「はい。
私の事よりクライアントの
意向が大切です。
ですが、ご配慮ありがとう
ございました。」
と、伝えた。

専務達と別れて社に戻る時
「朝陽。」
と、呼ばれて振り返ると
神奈川支店の西山さんで····

私は朝陽をみると
朝陽は、怪訝な顔をしている。
「覚えてないか。」
と、言う西山さんに
「すみません。
どちらかで、お会いしたことが?」
と、答える朝陽に
「私よ。石田、石田 恵。」
と、名乗ると朝陽は少し考えてから
「えっ、石田?大学の?」
「そう。私は、すぐにわかったのに。
でも、一緒の会社なんてね。」
と、少しの呆れと少しの寂しさが
含んでいるようだが···
「俺は、変わってないんだ?」
と、愉快そうに伝える朝陽に
「そうね。相変わらずイケメンね。
良かったわ。知り合いがいて。
心ぼそかったから。」
と、言う西山さんに
「あ~あ、なにかあったら
言ってくれて大丈夫。
みな、優れた人材ばかりだから。」
親しげに話す二人に
「課長、先に戻りますので
ゆっくりされて下さい。」
と、伝えて西山さんにも
頭を下げてから
私は、その場を離れた。

朝陽さんが、何か言っている
みたいだが······
今は·····もう······
いっぱい、いっぱいだ。
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