諦 念

▪▪きちんと


光輝は、ドイツへと帰って行った。
次にくるのは、半年後だ。

大きな美術館ではないから
その期間のようだ。

デザインインテリア課の
メンバーで光輝の事を
知っている人達には
少し嫌煙されていたが
光輝自身も多くを語る人ではないから
それは、それで良かったようだ。

私は、父と明奈にも相談して
柳川弁護士にも相談して
光輝の御両親へと
美術館のオープンセレモニーの招待状と
手紙を送る事にした。

朝陽さんには
文章を見てもらった。
私と朝陽さんの結婚の報告も
添えた。

西山さんこと恵さんは、
なんでも朝陽さんに頼る。

最初は、朝陽さんも対応していたが
度を越す西山さんに
一緒に来ている甲斐さんと
数名のメンバーを構成しているから
と、伝えた。

今度は、ご主人とうまく行ってない
からと、相談に乗って欲しい、と。

私と一緒で仕事が好きで
はまると、一筋になるようだが·····
私は···そこまでないとおもうが·····

朝陽さんから·····

思い出したのだけど
割りと自分中心で
綺麗な人だと思うが
それを鼻にかけるところがあり
朝陽さんは、そんな所も
自分とは合わなかったと
言った。

「あのな、自分達夫婦の事だろ?
自分達で納得するまて
話し合えよ。
それもしないで、騒いでも
後々、後悔するぞ。
俺には、一生大事にしたい
女性がいる。
その人に誤解をされる事も
悲しめるような事も
したくないんだ。
だから、個人的な事には
関知しない。
仕事に関しては、内のメンバーは、
素晴らしい人材だから
一緒に作りあげて欲しい。」
と、話していたと
メンバーから聞かされて
「愛されてますね。」
の言葉と共に。

西山さんは、
「何よ。同級生なのに。
冷たいのね。」
と、言われたらしいが
「仕事ならともかく
個人的に優しくする必要ないだろ。」
と、切り捨てたらしい。

西山さんが、少し可哀想な気が
しないでもないけど
朝陽さんの気持ちが知れて
心があったかくなる。

それからは、西山さんは
仕事をこなして
神奈川へと帰っていった。

完成までは、ちょこちょこくるが。

完成が楽しみだ。
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