諦 念

▪▪光輝


日本の大林建設に行く事に
抵抗があったが、師匠より
「自分の作品を信じて行ってこい。」
と、言って貰えた。

そうだ。クライアントの願いが
一番·····行こう!

なんと言われても
自分がやった事だから·····

大林建設につくと
専務に向かえられた。

挨拶をすると
「頑張ってるな。」
と、言われて
涙がにじむ
「はい。ありがとうございます。」

会議室に入ると
やはり·····ザワザワとする

そこへ、十川さんが入ってきて
直ぐに専務を見る
専務は、十川さんに一度頷いた。

栞那が入ってきて
またまた、びっくりした顔をした。

十川さんが栞那のそばに行き
一言、二言、会話をする。

美術館の図面は見ていたが
3D化した物を見れて
やはり、素晴らしい。

机と椅子は、決まっているから
図案は、持ってきていた。

栞那は、午後から外にでたようだ。
また、謝る事が出来なかったと····

打ち合わせも終わり大林建設の
社屋をでるときに
栞那が戻ってきのと一緒になり
話しをさせて欲しいと
お願いをした。

栞那は、それを受けてくれて
二人で話をした。
まずは、きちんと謝罪をする。
それからは、いままでの話をした。
栞那は、俺の作り出す家具を
誉めてくれた。

日本へきて良かった。
心から、そう、思った。

明日は、ドイツに戻り
次は、美術館の完成前に
机と椅子の納品をし
オープンセレモニーへ出席する·····

***** ***** ******

オープンセレモニーでは、
俺も専務の隣でテープカットを行う。

「「おめでとうございます。」」
と、十川さんと栞那に言われて
本当に嬉しかった。
「ありがとうございます。
お二人には感謝しかありません。」
と、頭をさげる。

すると·····

「良く頑張ったな。」と······

慌てて顔を上げる····と·····

「·····親父····お袋······」
親父は、嬉しそうに
お袋は、涙をいっぱいで····
「栞那さんから連絡頂いた。」
と、言う親父に
栞那を見ると
栞那は、十川さんと二人で
頷いてくれた。

それからは、親父とお袋を連れて
俺の作品を見て回った。

度々に、挨拶をされる俺に
両親も一緒に頭を下げてくれた。

それからは、三人で専務に
挨拶をしてから
ゆっくりと食事を取り
同じホテルで宿泊をした。

翌日、ドイツに戻る俺を
両親は、見送ってくれた。
親父から
「いつでも、帰ってこい。」
と、言って貰えて
俺は、情けなくも涙を流して
しまった。

まだまだ、師匠から
学ぶ事はある。
師匠と相談してみようと思いながら
機内を過ごした。
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