きっと100年先も残る恋
美術館を出ると、また手は繋がれた。

コンビニでおにぎりとか買って公園に行く。

だだっ広い公園にも、なぜか人はいなかった。
砂がまだ湿っている。

雲は全然消えてくれてはいない。

ペンキがほとんど剥がれたベンチに座る。

誰もいない広場を見ながら、それぞれ飲み物の蓋を開ける。

高松雄介は桃味の水。
私はカフェオレ。

「なんかさ、映画とか観たいよね」

高松雄介の方から言ってきた。

「何か観たいのあるの?」
「うん、いや、調べてはいないけど」

そう言って笑う。

「言っちゃっただけ」と続けた。

その顔を見る。
私の視線に気づいて、彼も私の方を見る。

「いちいち口実とかなくても会えたらいいんだけど」
「ん?」

心を覗こうとすると、「その目はずるいよ」と話を変えてきた。

「なにそれ」
「そういう目で見ないでよ」

そう言って彼はカツサンドを豪快に口に頬張った。

午後4時。
これって何ご飯なんだろう。

そう思いながら鮭のおにぎりを食べる。

お腹は全然空いてない。

きっと、これ食べたら今日のデートは終わるのかなと思った。

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