きっと100年先も残る恋
雄介が「おじゃましまーす」とよそよそしく上がる。

貴田美里と高松大介の間で生まれ育った坊ちゃんは、初めて見る狭い部屋かもしれない。

そんな心配も他所に、「綺麗な部屋だね」と言ってくれた。

友達の部屋はもっと狭くて汚い、と笑う。

買ってきた物が入ったビニール袋をテーブルに置くと、すぐに私に顔を向けてきた。

両手で私の顔を固定し、さっきまでの遠慮がちなキスとは違って、強めに口をつけてくる。

ベッドに腰掛けてた状態から、そのまま横に二人で倒れた。

すごい近い距離。

お互いに微笑み合う。

「なんで今まで誰ともしなかったの」

短いキスと長いキスを繰り返しながら雄介は聞いてきた。

「したいと思える人がいなかった」

わずかな時間、目が合う。
私の目を見てくれている。

何考えてるんだろう。

そしてまたキスを繰り返した。

それ以上は進めることなく、静かに朝を迎える。
男の人と迎えた初めての朝。

ずっと一緒にいたいと思う男の人は雄介が初めてだった。
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