きっと100年先も残る恋
クリスマス
雄介とは大体1,2週間おきに会っていた。
連絡は少なめ。

でもクリスマスイブは夜だけちゃんと会うことにした。

二人で17時に駅で待ち合わせをして、少しここから遠いけどイルミネーションを観に行く。

私が駅に着くと、雄介は既に座ってスマホをいじっていた。

「ごめん、おまたせ」

そう言うと、ゆっくり顔を上げる。

「俺、40分くらいずっとここいたわ」と笑って雄介が立ち上がった。

「40分?」
「撮影から戻ってきたんだけど、面倒で動かなかった」

ゆるい。

「どっかお店入れば良かったのに」

そう言う私を何か意味ありげに見る。

「美味しいもの食べに行くのに胃袋に入れるのもったいなくない?」

なんとなく理屈は分かる。
それにしても駅の椅子に40分って。

私が雄介の手を取る。
かなり冷たい。

「ここにいても誰にもバレないの?」
「俺、バレたこと全然ない」

確かに背が高いくらいで、これといった特徴があるわけではない。
雑誌モデルをしてるとはいえ、露出度もまだまだ少ない。
モデルデビューしてちょっと話題になった時と髪型も違うし、オーラもないからバレないのかもしれない。

< 22 / 75 >

この作品をシェア

pagetop