きっと100年先も残る恋
浴槽の淵に、丸い輪郭が浮かんだ正方形の黒い袋。

水面の下から次々と色が変わるライトに照らされる。

行ったことないけど、クラブみたい。

背中を向けていた体をぐるっと雄介の方に向ける。
雄介の濡れた髪に両手の指を差し込みながらキスをする。

雄介が私の首にキスをする。

また体を回されると、背中を這うようにキスされた。
すごくゾクゾクする。

浴槽の淵につかまると、背後から突かれる。
雄介はこういう時も、基本的にスローテンポだ。
ゆっくり出し入れしてくる。

静かな浴室に二人の吐息が響く。

クラブみたいな派手なライトとは裏腹に、私たちは地味で静かだ。
会話もほとんどしない。

雄介が私の顔を支えながら、背後からキスをしてきた。

今まで、イクって感覚を掴んだことは一度もなかったけど、強いて言うなら今、我を忘れて頭が真っ白になりそう。

口を塞がれて声を漏らすことはできないけど、もしかして私このままイクのかな、と思えた。

それなのに突然雄介が口を離す。
そして人が変わったようにスピードを上げてきた。

「ちょっと待って」

そう言いながら、自分でも信じられないような喘ぎ声が浴室に響く。

すご。

雄介がこんなに激しく動くのは初めてのような気がした。

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