きっと100年先も残る恋
再婚
3度目のいい肉の日を目前に迎えた、ある秋の日。

雄介が雄介パパに召喚された。
ご飯を食べて部屋に帰ってきた雄介の顔からは何も読み取れない。

「どうしたの?雄介パパ」

雄介が何も言おうとしないから、私の方から問いかける。
上着をハンガーにかけて、買ってきたグラノーラをキッチンラックの上に置いて、ヨーグルトを冷蔵庫に入れて、と無言で一通りの仕事を片付けていく。

靴下を洗濯機のカゴに入れて、やっと床に座った。

「再婚するんだって」

そう小さく呟いた。

おめでとう、と言いそうになるけど、雄介の表情からそれはおめでたいことじゃないんだと読めた。
口を閉じる。
何て言おう。

雄介の次の一言を待つ。

親の再婚。
雄介には離れて住む高校生の弟がいる。
離れて住んでるけど、お母さんの貴田美里とも、弟とも頻繁に連絡取ってるし、弟の誕生日には家族4人でお祝いしてるのを知ってる。

「ジュエリーデザイナーのお母さんと、4つ年下の弟ができる」

そう付け足した。
今にも押しつぶされそうな声が悲しく響く。

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