瞳のうらで
瞼を開くと暗く、どんよりとした空気がまとわりついている感じがした。
カーテンを開けると分厚い雲が空の上に覆われていた。
雲と友達なら今の気持ちを伝えあって仲良くなれていたんだろうなーなんて思いながらキッチンへ向かった。
すると、机に
”おはよう。昨日は遅くなっちゃってごめんね。朝ごはんシチューあっためて食べてね。今日も遅くなるかも。また連絡するね。
母より”
もう慣れた。いつものことだ。と、自分に言い聞かせてる。
”ほんとは寂しい”なんて子供みたいなことはもう言ってられないしね。
でも今日の置手紙くらい、引っ越しのこととか、私へのメッセージがあってもいいのにな。
電子レンジが鳴るのを待ってる間、ふと思った。
私の学校のこととか、友達なこととか(まぁ、いないけどさ、)気にならないのかなぁ、、。
気にしすぎかな。うん。お母さんはきっと忙しいんだ。そういうことにしよう。
ちょっとでいいから、興味持ってくれたりしないのかなー。
なんてね。