瞳のうらで
何にもしていないのに疲れたなぁ、と思いながら下駄箱で折り畳み傘を開いた。
そのとき、
「バッ」
隣で誰かが傘をあけた。
「あ。」
同時に口を開いた。
そこには畠元君がいたのだ。
目が合い、時が止まったように感じた。
このままスルーするの、気まずいな。と、口を開こうとしたその時
「土砂降り。だね。」と畠元君が口を先に開いた。
女子の言葉はほとんど無視していたし、あまり女子に話しかけてるところを見たことがなかったので、”後ろに誰かいるのかな、まさかこんないじめられっ子に声かけないだろうな”と後ろをキョロキョロ見てたら、
「www萩野?何してるの?ww」
と、笑われてしまった。