一緒に帰ろう。
もう、どうすることも出来ない自分に苛立ちながら私は首を縦に振った。
それをみた男の人は「ん」と一言だけ言い、歩き出した。私はついて行くような形で隣を歩いていく。
「ここから近いの?」
「近いよ。あれだから。」
指を差した先にあるのは、少し?いや、結構高そうなマンションだった。
「いい所すんでるね。羨ましい。」
「そう?俺は全然羨ましくない。引っ越したい。」
どれだけ贅沢なの?
お金が全てのこの世の中であんないい所に住んで文句とかなに様なの?
「ふーん。私はには分からない。」
「だろうね。」
少々イラッとする態度を取られても、もう行くところも何もない私には文句なんて言えないよね。