花音(かのん)
4時間目の終わり頃、幸一は、4時間目になっても帰ってこない、詩穂の机を、じっと見て、
じっと見ている自分に気がついて、視線をそらした。

4時間目のチャイムが鳴ると同時に、教室を駆け出した所で、松本夏樹と竹田圭吾に出会った。
「どっか行くの?」
松本が聞いた。
「うんん、お腹減ったから、夏樹と圭吾のクラスに行こうと思っただけ。」
幸一が曖昧に笑った。
竹田が
「マジ腹減ったーー!!腹減ったよ。食堂行こう。」
3人で走って食堂へ出かけた。
食事を済ませて、いつものように体育館へ移動する途中で、
「オレ、ちょっとトイレ!!先に行ってて。」
「おう。」
松本と竹田は、体育館へ向かった。
松本が、途中、幸一の方を振り返った。
竹田が
「どうした?」
と聞いたが、
「なんでもない。」
と返事をして、2人で体育館へ向かった。
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