花音(かのん)
12
あっという間に半袖の季節がきて、
夏休み目前、期末テストがやってきた。
この学校は期末テストが終わると、
高校野球の応援一色となり、授業に身が入らないので、
クラス対抗のミニ運動会があったり、
授業の内容も、読書だったり、映画鑑賞だったりと、
教科書を開いて黒板に字を書くような授業がなくなる。
ので、期末テストも、だいぶ騒がしい。
テスト1週間前になり、職員室が立ち入り禁止になった。
放課後、職員室の前を詩穂が通り過ぎていると、小松先生に呼び止められた。
「へい、彼女。ちょっといい?」
「小松先生。」
職員室から少し離れた人通りのない場所まで移動し、小松が小声で言った。
「今回のテストは、私が作ることになったから、あんた達の勉強を見るわけには、いかないわ。」
「えーーーーーーーーー期待してたのに。」
小松は、詩穂の頭をぐりぐりと片手で回しながら、
「あんた達なら大丈夫だから。」
「そういうことだから、彼にも伝えといて。」
小松は、じゃぁね、と言い、職員室に戻っていった。
夏休み目前、期末テストがやってきた。
この学校は期末テストが終わると、
高校野球の応援一色となり、授業に身が入らないので、
クラス対抗のミニ運動会があったり、
授業の内容も、読書だったり、映画鑑賞だったりと、
教科書を開いて黒板に字を書くような授業がなくなる。
ので、期末テストも、だいぶ騒がしい。
テスト1週間前になり、職員室が立ち入り禁止になった。
放課後、職員室の前を詩穂が通り過ぎていると、小松先生に呼び止められた。
「へい、彼女。ちょっといい?」
「小松先生。」
職員室から少し離れた人通りのない場所まで移動し、小松が小声で言った。
「今回のテストは、私が作ることになったから、あんた達の勉強を見るわけには、いかないわ。」
「えーーーーーーーーー期待してたのに。」
小松は、詩穂の頭をぐりぐりと片手で回しながら、
「あんた達なら大丈夫だから。」
「そういうことだから、彼にも伝えといて。」
小松は、じゃぁね、と言い、職員室に戻っていった。