夏色の風が吹く


私たちがそうしていつも通り他愛の無い会話をしている間に、次々と教室に生徒が登校してくる。

1年2組の教室がいつものようにガヤガヤと騒がしくなってきた頃、担任の先生が教室に入ってきたのだ。

「皆静かに!今から最後の朝の会をするで!」

先生が朝の会を進めている間、私はクラス替えの事で頭がいっぱいになっていた。
他の皆もソワソワしていたから私と同じ気持ちなのだろう。

そうしている内にもうクラス替えの時間がやってきてしまった。

「今からプリント配るでー!」

自分はどこのクラスなんだろうか、仲が良い子となれてるだろうか、という期待と不安で気持ちがいっぱいになっている時、自分の元にプリントが回ってきたのだ。
プリントを見るのがすごく怖い。だけど、見ないと新しいクラスとこんにちは出来ないと思い、勢いよくプリントを表面に向け自分のクラスを見た。

「…まじか」

プリントには「2年3組」と書かれていた。2年3組のクラス表に仲が良い友達の名前はあまり無く、苦手な人が沢山いるクラスになってしまった。
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