空の色
次の日

今日も、つまらない1日が始まるのか。と思い、大きなため息をつく。

コンコンコンとドアを叩く音が聞こえた。

なみ「はーい。」

瀬野先生が回診に来た。

瀬野先生「体調はどう?」
って言いながら病室に入ってくる瀬野先生の後ろに見覚えのある人が…。

なみ「え?大輔もいるんだけど、、、」

瀬野先生「あれ?聞いてなかった?今日から、喘息の方は川島先生に担当してもらうことにしたから。俺はさ、心臓外科医だから、担当違うんだよねー。やっぱスペシャリストの方がいいだろ!」

なみ「やだ。高校の同級生だよ?嫌に決まってるじゃん!」

瀬野先生「だからいいんじゃん!なみのこと知り尽くしてるしね!」
といい、大輔の方を見た。

大輔「まぁ、問題児のお前を見てくれる人なんて、なかなかいないからな。」
笑いながら、私の頭をポンポンと撫でた。

瀬野先生「ってことで、今日は川島先生に、聴診してもらおう!」

なみ「むりむりむり!」

瀬野先生「今からそんなんじゃ、先が思いやられるよ。川島先生、さっさとやっちゃって!」

大輔「あ、はい!じゃぁ服捲って」

と、言われたが、何もしない私をみてキョトンとする大輔。

瀬野先生「あ、言い忘れたけど、こいつ、診察も、検査も嫌いだから、もう勝手にどんどんやらないと、終わらないから」
と言いながら勝手に私の服を捲ってきた。

なみ「ヤダヤダヤダヤダ」

瀬野先生「静かに!」

大輔「なみ、じゃあ、やるね。」

といい、聴診器を手で温めて、服の中に滑り込ませた。


診察中の大輔は、今まで見たことがないくらい真剣な顔だった。
私は、もう、友達の大輔じゃなくなってしまうようで、涙が出てきた。
それに気づいた、大輔がすかさず、
大輔「なみ?どうした?嫌だった?」
と顔を覗き込む。

なみ「もう、、、友達じゃなくなっちゃったなって思って…」

大輔「そんなことないから。はい。聴診は終わり。今日はちゃんと大人しくしてるんだよ!」

2人は病室を去っていった。

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