空の色
目を覚ますと、、、
病室が少し変わっていた。

瀬野先生がカルテに何かを打ち込んでいた。

瀬野先生「あ、目覚めたね。ちょっと診察させてな。」

なみ「。。。」

瀬野先生が聴診してる間、
なみが病室をキョロキョロ見ていたら、 

瀬野先生「あ、今ね、ちょっと心臓の方が心配なんだ、心臓外科に病室移したんだけど、嫌だった?」

なみ「そっか。大丈夫。」

瀬野先生「あ、でも、川島先生にもたまにきて診察してもらうことになってるからね〜」

なみ「ん、もう、どうでもいい。」
素っ気なく返事をした。

瀬野先生「なみ、全部自分で悩み込むなよ。俺とはさ、10年以上の付き合いなんだからさ、、、」
と言いながら私の頭を撫でた。

瀬野先生「なみは、もっと生きたくない?俺はさ、なみに長く生きて欲しいんだよ。手術受けてくれないかな?これは、医者としてじゃなくて、個人的に言ってるんだけど。」

なみ「え、、、?」

瀬野先生「まぁ、ちょっと真剣に手術のこと考えてくれない?」

なみ「うん、、、考えとく、、」

その夜、私は眠れなくなっていた。手術のことも、個人的にって言っていた瀬野先生のことも、、、。

手術は、嫌だけど、、、あの同窓会以来やっぱりみんなともっと一緒に居たいと思ったし、でも手術は失敗する可能性もなかなか高い…
でも、瀬野先生はかなりの腕の持ち主で、10年前、とても若いのに、私の手術の執刀医でもあった…
たぶん、また瀬野先生が執刀医なんだろうな…

と考えていると、、、

ガラッと病室のドアが開いた。

大輔だった。

大輔「あー。まだ起きてるーー!ちゃんと寝てなきゃダメだろ!」

なみ「ははは、、、なんか寝れなくなっちゃった。」

大輔「考え事してるからだろ?手術のこと?不安?」

なみ「瀬野先生が手術するなら、大丈夫って思ってるけど、なんかね。手術しても、また体調悪くなったりするのが怖い…」

大輔「そりゃぁ、何も無かったようには戻らないかも知れないけど、まだ生きることは出来るんだから…なっ」

なみ「うん、、、わかったよ。手術受けるよ。」


大輔「よかったーー。。。もし手術受けないって言ったらどうしようかと思ったよ…。瀬野先生に連絡しよっと!」

なみ「あ、瀬野先生には、明日回診の時に、私から話す。」

大輔「わかった。」




 

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