蒼春
私たち4人は屋台を周りながら花火を見るため、電車に乗って隣の駅まで行く。
案の定、年に一度の花火大会だからか電車の中はとても混雑していた。
乗車するのは3分くらいなのに、だいぶ体力を持っていかれそうだ。
そう思いながら電車に乗り込む。
早速、問題が発生する。
車両の中が混みすぎて、ちゃんと立てないのだ。
まぁ、どうせすぐ降りるし…と思ったがそう簡単にはいかないらしい。
電車が揺れるたびに誰かにぶつかってしまう。このままだと周りの人に迷惑だ。
ドンっ!
近くで大きい音が鳴ったので、反射的に目を閉じる。
…ん?
目の前に人の気配がする。
恐る恐る目を開けると、目の前にはさっき見たばかりの濃紺の浴衣。
目線をだんだん上に向けていくと…
そこにはやっぱり一ノ瀬先輩の顔があった。
「乃蒼ちゃん、大丈夫…?」
『はい、……先輩、』
「ん?」
『ち、近いです…』
10cmあるかないかの距離で先輩のハスキーボイスを聞かされるなんて…。
「あ、ごめん。…でも動けそうにないから、しばらくこの体勢で我慢して?」
私は首を縦に振った。
いわゆる壁ドンのまま隣の駅に着くのをじっと待つ。
…そういうところです、先輩。
ーー次は赤井駅です。花火大会にお越しのお客様はこちらでお降りください。
車内アナウンスとともに車両が減速する。
「乃蒼ちゃん、はい。」
と言って先輩が手を差し出すので、何も考えずに自分の手を乗せる。
すると、先輩は私の手を握ったまま電車を降りていく。
……耳が赤くなってる。
これを蓮と徳島先輩に終始見られていたことには全く気づかなかった。
案の定、年に一度の花火大会だからか電車の中はとても混雑していた。
乗車するのは3分くらいなのに、だいぶ体力を持っていかれそうだ。
そう思いながら電車に乗り込む。
早速、問題が発生する。
車両の中が混みすぎて、ちゃんと立てないのだ。
まぁ、どうせすぐ降りるし…と思ったがそう簡単にはいかないらしい。
電車が揺れるたびに誰かにぶつかってしまう。このままだと周りの人に迷惑だ。
ドンっ!
近くで大きい音が鳴ったので、反射的に目を閉じる。
…ん?
目の前に人の気配がする。
恐る恐る目を開けると、目の前にはさっき見たばかりの濃紺の浴衣。
目線をだんだん上に向けていくと…
そこにはやっぱり一ノ瀬先輩の顔があった。
「乃蒼ちゃん、大丈夫…?」
『はい、……先輩、』
「ん?」
『ち、近いです…』
10cmあるかないかの距離で先輩のハスキーボイスを聞かされるなんて…。
「あ、ごめん。…でも動けそうにないから、しばらくこの体勢で我慢して?」
私は首を縦に振った。
いわゆる壁ドンのまま隣の駅に着くのをじっと待つ。
…そういうところです、先輩。
ーー次は赤井駅です。花火大会にお越しのお客様はこちらでお降りください。
車内アナウンスとともに車両が減速する。
「乃蒼ちゃん、はい。」
と言って先輩が手を差し出すので、何も考えずに自分の手を乗せる。
すると、先輩は私の手を握ったまま電車を降りていく。
……耳が赤くなってる。
これを蓮と徳島先輩に終始見られていたことには全く気づかなかった。