蒼春
乃蒼side

翌日、学校に行って楓と雪ちゃんに報告をする。

『私、ついに開けました!』

『おぉー、ついに乃蒼まで…』

『仲間だぁー。』

楓には悲しまれ、雪ちゃんには喜ばれた。

『いいなぁ。彼氏に開けてもらえるなんてー!』

『怖かったけど、全然痛くなかったよ。』

『じゃあ、私も開けよっかなぁ。』

そんな会話をしていると、雪ちゃんが急に血相を変えてある話題について話し出した。

『そういえば乃蒼、ピアスってあの大きいショッピングセンターのフードコートで開けた?』

『う、うん…。』

『マジか…。』と言って頭を抱える雪ちゃん。私と楓がきょとんとしていると、

『…それ、誰かに見られてたよ。』

『え…?』

先輩と付き合ってることについては、蓮と徳島先輩以外だと、楓と雪ちゃんにしか言っていない。

『…バレたってこと?』

『うん。今はただの噂になってるけど、乃蒼のピアスを見たら確信になるだろうね。』

やばい。

先輩のファンのことを考えて、付き合ってることをバレないようにしてきたのに。

『何でバレたって分かったの…?』

『インスタで拡散されてたんだよ。2年生の男子がストーリーに乃蒼と先輩のこと載せてた。』

…だから今日、いろんな人がこっちを見てたんだ。気のせいじゃなかったのか…。

『だから乃蒼、気をつけてね!』


そんな雪ちゃんの忠告も虚しく、教室にいると誰かが私を呼ぶ。


『鈴木乃蒼ってこのクラスですか?』
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