蒼春
蒼生side

最近、乃蒼ちゃんの様子がおかしい。

一緒に帰って話す時も、俺の目を見て話してくれなくなった。

「乃蒼ちゃん、俺何かした？」

『急にどうしたんですか、何もないですよー。』

そう言って無理して笑う乃蒼ちゃん。

絶対何かあったな…。

そこである2人に協力してもらうことにした。

「徳島、ちょっとお願いがあるんだけど、」

1人目は徳島。２年の女子の中で1番と言っていいほどの情報通だ。

2人目は、

「このクラスに杉本さんっている？」

『はい、いますけど。』

乃蒼ちゃんがなんでも知ってると言っていた杉本雪さんだ。

この2人に乃蒼ちゃんに何があったのかを調べてもらうことにした。

女子の力っていうのはすごいもので、２人から伝えられたことは一致していた。

その真実を聞いた時、やるせない気持ちになった。

とりあえず、蓮にも伝えた。

案の定、あいつも驚いた表情をして俺を見た。

俺は守ってあげられなかったことが悔しくて、唇を噛む。

まず、乃蒼ちゃんをいじめた女子にはっきり言わなければならないと思って、そいつを屋上に呼び出した。

そいつは俺と同じ学年で、１年の時に同じクラスだった奴だった。
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