蒼春
「…あのさ、呼び出された理由分かってる?」

場の空気に合わず、笑顔でいる女に聞いてみる。

『もちろん分かってるよ?』

「それ本気で言ってる?」

『うん。…私に告白するために呼んだんでしょ?』

「…は?」

『2年も待ったんだから…。』

この女、マジで何を言ってるんだ。

さすがに痺れを切らす。

「あのなぁ、乃蒼ちゃんのこと傷つけたのお前だろ。毎日屋上に呼び出して悪口浴びせたり、暴力振るったりしてたんだってな?」

『な、なんで知って…』

「ばれないとでも思った?随分と甘い考えしてるよね。」

『っ…。』

「乃蒼ちゃんが学校に来たらちゃんと謝ってね。それくらいできるよね?」

『な、なんで!?あんな女に構うのやめてよ!…蒼生くんは私のものなのに。』

「…何言ってんの?」

『好きなの、蒼生くんのことが。』

まさか、こんな状況で告白してくるとは。呆れすぎて言葉が見つからない。

「俺は別にお前のもんじゃない。なんで勝手に話進めてんの?俺が好きなのは乃蒼ちゃんしかいないから。」

最後の一言でかなりショックを受けたようだ。

その女は足早に屋上から逃げていった。


この日は乃蒼ちゃんに会いに行くことにしたので、蓮と一緒に帰った。
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