蒼春
帰る準備をして下駄箱に向かうと、雪ちゃんが靴を履き替えていた。

『お、乃蒼じゃん。部活どーだった?』

『雪ちゃん!楽しかったんだけど、ちょっといろいろあってさ…。』

高宮さんたちの話をする。

『ふーん、確かに廊下で『私、男バレのマネージャーになる!』って話してるの聞いた気がするわ。』

『だから、今日は仕事したけど正式じゃないの…。』

『まあ、頑張んな?』

『頑張ります…。』

『そういえば乃蒼の家どこらへん?結構近いの?』

『あ、私電車通学なの。ここから30分くらいかかるかなぁ。』

『え、そうなんだ。結構近いと思ってたわ。』


そんなこと会話しながら駅に向かう。雪ちゃんは私と反対方向らしい。

『じゃあ、私こっちだから。また明日。』

『うん。バイバイ。』

雪ちゃんを送っていった後に駅のホームに向かうと、蓮と一ノ瀬先輩がいた。


…へー、あの2人一緒に帰ってるんだ。なんか意外。


そう思っていると、蓮が私に気づいて声をかけてきた。

「お、乃蒼お疲れ。先に着いてたと思ってた。」

『いや、ちょっと雪ちゃんとコンビニ寄ってた。一ノ瀬先輩もお疲れ様です。』

「ん、お疲れ様。よく俺の名前知ってるね。」

一ノ瀬先輩はちょっと驚いていたが、心なしか嬉しそうだった。
< 42 / 129 >

この作品をシェア

pagetop