蒼春
『友達に聞きました。もしかして迷惑でしたか…?』

「ってことは…、あのなんか3大なんとか的な話知ってるの?うわー、ちょー恥ずかし…。」

先輩はちょっと照れたような反応をした。

…いや可愛いな。


しばらくすると、電車がホームに入ってくる。

「お、電車乗るぞ。」

「君も一緒に行こ?」

扉が開くと、蓮は1番端っこの席に座り、その隣に一ノ瀬先輩が座る。

私が向かい側の席に座ろうとすると、一ノ瀬先輩に「こっちおいで。」と言われたので、先輩の隣に座った。

『し、失礼します。』

「ふっ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。」

そう言って笑っている。うう、恥ずかしいぃ。

「じゃあ、蒼生。今日もよろしく。」

蓮はそう言って寝始める。え、こいつまさか…。

『せ、先輩。この人毎日寝てるんですか?』

「うん、そーだよ。なんか一回乗り過ごしたらしくて。それからは俺と一緒にいる時だけ寝てる。」

『ホントにうちの兄がご迷惑を…。』

確かに去年の初め、母がどこかにお迎えに行ってた気がする。全くこいつは何をやっているんだ…。


「そういえば、名前教えてくれる?俺は一ノ瀬蒼生です。まあ、知ってるよね。」

『は、はい。私は、鈴木乃蒼です。よろしくお願いします。』

うわぁぁぁぁ、イケメンに名前聞かれちゃった。

「いい名前じゃん。乃蒼ちゃんって呼んでいい?」
< 43 / 129 >

この作品をシェア

pagetop