蒼春
『は、はい。大丈夫です。』


うわぁぁぁぁぁ、やばい、名前呼ばれちゃった!なんか嬉しいなぁ…。

「そうだ。…乃蒼ちゃん、LINEもらってもいい?」

『え?』

え、えええぇぇぇぇ?!

「俺さ、部活の予定とかすぐ知りたいときに徳島にLINEするんだけど、返信がすげえ遅いんだよ。だから乃蒼ちゃんのLINE欲しい。」

私が混乱していることに気づいているのかいないのか、先輩は淡々と話し続ける。

『でも、私、まだマネージャーになるか分からないですよ?』

金曜日に高宮さんがやったらもっと手際がいいかもしれないし…。

「いや、絶対なるよ。俺が保証する。」

真剣な目で私を見てくる。

「…だめかな?」

先輩が綺麗な顔で覗き込んでくる。そんな泣きそうな目をされたら…。

『い、いいですよ。』

私はやっとの声を絞り出す。


反則です、先輩…。

「やった!じゃあこれ、俺の。」

そう言ってQRコードを差し出してくるので、スマホで読み込む。先輩のLINEが表示され、追加する。

ラインッ

先輩も私のLINEを追加したらしい。確認のスタンプが送られてくる。

「どう?送られてる?」

『は、はい。ちゃんと来てますよ。』

「ん、ありがと。これからよろしくね。」


この後、先輩は蓮を私に託して、2つ前の駅で降りていった。
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