転生したら、魔王の側近でした
「……初めまして。僕は、魔王クラル様の側近のルーチェ・クロウディアと言う」

僕が名前を名乗ると、2人は驚いた顔をして顔を見合せた。

「……お前、もしかして……望月 光(もちづき ひかる)……か?」

「え……?」

赤髪の男の子は、僕に目を移すと僕の前世の名前を口にする。

「……その話は、後にしよう。アーサー」

「あぁ……そうだな。俺は、剣術士のアーサー・ウィリアムズだ。隣のこいつは、ティム・ラファール。司祭だ」

アーサーは、アーサーの隣にいるティムに目を移した。

「……アーサーにティムだね」

僕は、アーサーの言葉に2人を見ると呟く。そして、杖を構えた。

「……とりあえず、ここは通さない。クラル様は、勇者を名乗る人たちが嫌いで……勇者が来たら、追い払うように言われているんだ」

『そうですね……主人、ご命令を』

そう言って、小さくなった八咫烏は僕の肩に着地する。

「……ティム!来るぞ!!」

アーサーとティムは、それぞれ剣と杖を構えた。僕は、杖の先をアーサーとティムの方に向ける。

「……」

無言で、アーサーとティムに向かって光弾を沢山放った。アーサーとティムは、剣と杖を上手く使いながら弾いてく。

「……呪文を唱えずに、ここまで……」
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