転生したら、魔王の側近でした
「……アーサー、ティム。さっきは、いきなり攻撃してごめん……とりあえず、僕の後をついてきて」

そう言って、僕はアーサーとティムに背を向けると歩き出した。



「……」

机に、魔法薬のレシピが乗った本を置く。クラル様の部屋に2人を連れて行った後、僕はクラル様に2人の武器を強化するように言われたんだ。

「……あれ?」

僕はアーサーとティムの武器を強化しようと手に持った時、違和感を感じて2人の武器を観察した。

「どういうこと?」

『主人。どうしました?』

「僕らがモンスターと戦う時に使う武器には、必ず魔法石を入れないと駄目なんだ。そうじゃないと、技の十分な威力が発揮されないから……2人の武器には、それがない」

『……!?』

「八咫烏。魔法石を2つ採取してきて……場所は分かるでしょ?」

八咫烏に命令をすると、八咫烏は『承りました』と僕が開けた窓から空へ飛んでく。

僕はそれを見送った後、僕は分厚いレシピ本をめくりながら考え始めた。

『主人、取ってきました』

僕がレシピ本を見てると、机に何かを置く音が聞こえてきて顔を上げる。机の上には八咫烏がいて、八咫烏の近くには大きな魔法石が2つ。

「……八咫烏、ありがとう。しかも、良い大きさの魔法石を持ってきてくれたんだね」
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