転生したら、魔王の側近でした
「…………ルーチェ。話がある……2人を森の入口まで送り届けた後、僕の部屋まで来て欲しい」

それだけ言うと、クラル様は部屋を出ていった。



「……そっか。だから、2人は僕の名前を聞いた時、僕の前世の名前が分かったんだね」

森を歩きながら、僕はアーサーとティムの話を聞いていた。

どうやらアーサーとティムも僕と同じように転生したみたいで、死んだ時に神様から僕の今世での名前を聞いたみたい。

アーサーとティムは、僕の前世からの友達だったってことをさっき知った。

「まさか、転生した先でも会えるとは思わなかったよ」

僕が笑うと、アーサーは「そうだな」と返す。

「……敵として……だけどね」

ティムの言葉に、僕は「……間違ってはないね」と苦笑した。

そんなことを話してると森を出たから、僕は立ち止まる。

「…………ここからは、僕がいなくても帰れるでしょ?話したいことは沢山あると思うけど、また会えたら話そうよ」

「……ありがとう。ルーチェ……また会える日を楽しみにしているぞ」

僕に手を振って、アーサーとティムは僕に背を向けると歩き出した。それを少し見送った後、八咫烏を呼ぶ。

『主人、どうされました?』
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