婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「え~いまだに清い関係だったの? なにしてたのさ、これまで」
「……笛を吹いていました」
「ふ、笛!?」
マイトはふきだしそうになったが、オディーリアの真剣な顔を見て必死にこらえた。
「いや、まぁ……がっかりとかはないよ、きっと。レナート様、そんな嫌な奴じゃないし」
「そんな面白くもなんともない綺麗事で済ませないで、ちゃんとアドバイスしてあげてよね!」
「え~そんな無茶な! いくら僕でも、レナート様の趣味なんて知らないし」
「……そう、ですよね。ごめんなさい、馬鹿なことを聞いて」
しゅんとしてしまったオディーリアがかわいそうになったマイトは、慌ててつけたす。
「あ! ひとつだけあった、全ての男が喜ぶテクニック」
「ど、どんなことですか?」
オディーリアは身を乗り出すほどの勢いで、マイトにつめよる。
「にっこり笑って……」
「笑って?」
「大好きって言うの。語尾にハートマークをつけることが超重要ポイントだよ!」
「わ、わかりました。特訓してみます」
本当は、もっと実践的なアレコレがないこともないのだけれど……具体的なアドバイスなんてしようものなら、レナートが一生口を聞いてくれなくなりそうだ。
そう思って、マイトは口を噤んだのだった。
「……笛を吹いていました」
「ふ、笛!?」
マイトはふきだしそうになったが、オディーリアの真剣な顔を見て必死にこらえた。
「いや、まぁ……がっかりとかはないよ、きっと。レナート様、そんな嫌な奴じゃないし」
「そんな面白くもなんともない綺麗事で済ませないで、ちゃんとアドバイスしてあげてよね!」
「え~そんな無茶な! いくら僕でも、レナート様の趣味なんて知らないし」
「……そう、ですよね。ごめんなさい、馬鹿なことを聞いて」
しゅんとしてしまったオディーリアがかわいそうになったマイトは、慌ててつけたす。
「あ! ひとつだけあった、全ての男が喜ぶテクニック」
「ど、どんなことですか?」
オディーリアは身を乗り出すほどの勢いで、マイトにつめよる。
「にっこり笑って……」
「笑って?」
「大好きって言うの。語尾にハートマークをつけることが超重要ポイントだよ!」
「わ、わかりました。特訓してみます」
本当は、もっと実践的なアレコレがないこともないのだけれど……具体的なアドバイスなんてしようものなら、レナートが一生口を聞いてくれなくなりそうだ。
そう思って、マイトは口を噤んだのだった。