婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
五章 敵
初めての夜の後は、レナートはそれまでのもどかしかった時間を取り戻すかのように幾度もオディーリアを抱いた。この夜もそうだった。彼の手によって快楽を与えられ続けたオディーリアはぐったりと倒れこむようにベッドに横たわる。
レナートが額ににじむ汗を拭ってくれる。オディーリアはこの甘やかな時間もたまらなく好きだった。そのとき、コンコンと部屋の扉がノックされた。レナートは怪訝そうな顔をしながらも短く返事をする。
「誰だ。いま開けるからしばらく待て」
「ハッシュです」
予想通りの相手だった。こんな時間に遠慮もなしにレナートの部屋をたずねてこれる人間などくらいのものだろう。レナートはオディーリアに服を投げてよこすと、自身も身支度を整えてから彼を出迎えた。情事の直後に人に会うなんて……とオディーリアはなんとも言えない気分だったが、彼らはまったく意に介さない様子で話をはじめた。
話題が急に自分にも及んだので、オディーリアは目を丸くした。
「パーティ―って私もですか?」
レナートが額ににじむ汗を拭ってくれる。オディーリアはこの甘やかな時間もたまらなく好きだった。そのとき、コンコンと部屋の扉がノックされた。レナートは怪訝そうな顔をしながらも短く返事をする。
「誰だ。いま開けるからしばらく待て」
「ハッシュです」
予想通りの相手だった。こんな時間に遠慮もなしにレナートの部屋をたずねてこれる人間などくらいのものだろう。レナートはオディーリアに服を投げてよこすと、自身も身支度を整えてから彼を出迎えた。情事の直後に人に会うなんて……とオディーリアはなんとも言えない気分だったが、彼らはまったく意に介さない様子で話をはじめた。
話題が急に自分にも及んだので、オディーリアは目を丸くした。
「パーティ―って私もですか?」