婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「初めて知りました。ダンスって楽しいんですね!」
音楽が鳴りやみ、花がほころぶように笑うオディーリアをレナートは優しく見つめた。
「俺もお前と踊るのは楽しい。できれば、ふたりきりならなおよかった」
「どうしてですか?」
パーティーは賑やかなほうがいいものではないのだろうか。オディーリアがそう問うと、レナートは苦笑する。
「俺の美しい宝物を他の人間に見られたくない」
独占欲を隠さないレナートにつっこみを入れるのはハッシュの役目だ。
「今日は彼女を見せびらかすのが目的です。忘れないでくださいね」
今日はマイトもクロエもお留守番だ。付き添い人はハッシュのみ。悪い人間でないことはわかっているものの、オディーリアはまだハッシュとの接し方がよくわからないので彼が近くにいると少し緊張する。
「でもなぁ、もっと地味な恰好でもよかったんじゃないか」
レナートはオディーリアの全身を眺めながら言う。
「クロエが選んだドレスのなかでは地味なほうだったと思いますが」
ハイネックにロングスリーブで露出は少なく、清楚で控えめなデザインだ。
「まぁ、お前はなにを着ても美しいだろうから仕方ないか」
レナートに褒められ、オディーリアは照れた。オディーリアにとって容姿を褒められるのは慣れたことだが、嬉しいと思ったのは初めてだ。
音楽が鳴りやみ、花がほころぶように笑うオディーリアをレナートは優しく見つめた。
「俺もお前と踊るのは楽しい。できれば、ふたりきりならなおよかった」
「どうしてですか?」
パーティーは賑やかなほうがいいものではないのだろうか。オディーリアがそう問うと、レナートは苦笑する。
「俺の美しい宝物を他の人間に見られたくない」
独占欲を隠さないレナートにつっこみを入れるのはハッシュの役目だ。
「今日は彼女を見せびらかすのが目的です。忘れないでくださいね」
今日はマイトもクロエもお留守番だ。付き添い人はハッシュのみ。悪い人間でないことはわかっているものの、オディーリアはまだハッシュとの接し方がよくわからないので彼が近くにいると少し緊張する。
「でもなぁ、もっと地味な恰好でもよかったんじゃないか」
レナートはオディーリアの全身を眺めながら言う。
「クロエが選んだドレスのなかでは地味なほうだったと思いますが」
ハイネックにロングスリーブで露出は少なく、清楚で控えめなデザインだ。
「まぁ、お前はなにを着ても美しいだろうから仕方ないか」
レナートに褒められ、オディーリアは照れた。オディーリアにとって容姿を褒められるのは慣れたことだが、嬉しいと思ったのは初めてだ。