婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「なにを言ってるんですか? よく似ていてもレナートとジルは別の人間でしょう。私が好きなのはレナートで、それは永遠に変わらないことです」
不意打ちすぎる愛の告白に、レナートは思いきり動揺してしまった。オディーリアは首をかしげて彼を見る。
「私は怒っているのに……なんで赤くなるんですか? レナートはやっぱり変です」
「いや。世の中にこんなにかわいい生き物がいるなんて……俺が思うより世界は広かったんだな」
「言ってる意味がさっぱりわからないです」
オディーリアもこのパーティーを思いのほか楽しんでいた。国王陛下を紹介されたときはさすがに緊張したが、レナートが親しくしている人たちは気のいい人間ばかりで会話も弾んだ。大勢の人間とお喋りに花を咲かせるなんて、ロンバルにいた頃にはとても考えられないことだった。
だが、「女神、女神」ともてはやされるのだけはつらい。
(クリストフのように、偽物だと責めてくれたほうがまだ気が楽だわ)
「元々、ナルエフには治癒能力を持つ聖女なんていない。女神は精神的な支えであって、誰も
特殊な能力なんて期待してない。美しい娘が戦場で共に戦ってくれる。それだけで十分なんだよ」
不意打ちすぎる愛の告白に、レナートは思いきり動揺してしまった。オディーリアは首をかしげて彼を見る。
「私は怒っているのに……なんで赤くなるんですか? レナートはやっぱり変です」
「いや。世の中にこんなにかわいい生き物がいるなんて……俺が思うより世界は広かったんだな」
「言ってる意味がさっぱりわからないです」
オディーリアもこのパーティーを思いのほか楽しんでいた。国王陛下を紹介されたときはさすがに緊張したが、レナートが親しくしている人たちは気のいい人間ばかりで会話も弾んだ。大勢の人間とお喋りに花を咲かせるなんて、ロンバルにいた頃にはとても考えられないことだった。
だが、「女神、女神」ともてはやされるのだけはつらい。
(クリストフのように、偽物だと責めてくれたほうがまだ気が楽だわ)
「元々、ナルエフには治癒能力を持つ聖女なんていない。女神は精神的な支えであって、誰も
特殊な能力なんて期待してない。美しい娘が戦場で共に戦ってくれる。それだけで十分なんだよ」