婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
寝室でふたりきりになったオディ―リアはレナートにある提案をした。
「正妃?」
「はい。やっぱり私みたいな側室がひとりだけ……ではダメだと思うんです。きちんとした正妃を迎えたほうが」
「なぜ急にそんなことを言いだす? ハッシュあたりに入れ知恵されたか」
呆れ顔の彼をオディーリアはなんとか説得しようとこころみる。
「一国の王になろうというあなたには支えが必要だと思います。私は、そばにいられるだけで十分ですから」
「別に俺は王になりたいとは思ってないぞ」
レナートはあっけらかんとそんなことを言う。王位に執着しないという彼の性格はよくわかるが、ハッシュやマイトは彼が国王になると信じて疑ってはいないし、なにより国民もそれを望んでいることだろう。
「民の声をあなたが無視できるとは思えません。レナートはきっと王になる」
「ま、もしかしたら王になることもあるかもしれん。けど、王になっても俺の妻はお前ひとりでいい」
「そんな無茶苦茶な」
国王となれば、さすがに正妃を迎えなければならないだろう。それはレナートだってわかっているはずだ。
「どうしてもというなら、オディーリアを正妃にする」
「正妃?」
「はい。やっぱり私みたいな側室がひとりだけ……ではダメだと思うんです。きちんとした正妃を迎えたほうが」
「なぜ急にそんなことを言いだす? ハッシュあたりに入れ知恵されたか」
呆れ顔の彼をオディーリアはなんとか説得しようとこころみる。
「一国の王になろうというあなたには支えが必要だと思います。私は、そばにいられるだけで十分ですから」
「別に俺は王になりたいとは思ってないぞ」
レナートはあっけらかんとそんなことを言う。王位に執着しないという彼の性格はよくわかるが、ハッシュやマイトは彼が国王になると信じて疑ってはいないし、なにより国民もそれを望んでいることだろう。
「民の声をあなたが無視できるとは思えません。レナートはきっと王になる」
「ま、もしかしたら王になることもあるかもしれん。けど、王になっても俺の妻はお前ひとりでいい」
「そんな無茶苦茶な」
国王となれば、さすがに正妃を迎えなければならないだろう。それはレナートだってわかっているはずだ。
「どうしてもというなら、オディーリアを正妃にする」