婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「レナートがこんなに嫉妬深いなんて、意外でした」
オディーリアはくすりと笑いながら、彼を振り返った。彼の嫉妬心や独占欲はくすぐったいが、オディーリアはひそかに嬉しく思っていた。これまで、親兄弟からさえも愛されたことなどなかったから。レナートに出会って初めて、愛される喜びを知った。誰かが自分を必要としてくれる。それがこんなにも、心と身体を満たしてくれるなんて。
イリムに会いたいのは、レナートのそばにいたいがためだ。オディーリアだってレナートのことしか考えていないのだが……彼はそこには気がついていないようで、いまオディーリアの頭を占めているなにかに激しく嫉妬している。
むくれた顔で彼は言った。
「俺だって、意外だったさ。お前は特別だ。みっともないほどに執着して、片時だって手放したくない」
レナートの指先がオディーリアの耳元をくすぐる。耳が弱いオディーリアは小さく声をもらした。
「もっと聞きたい。お前の声は病みつきになる」
しわがれて醜くなったこの声さえも、彼は愛してくれる。幸せで、なんだか怖いくらいだった。
レナートは耳たぶを軽く食みながら、オディーリアの胸元に手を差し入れた。焦らすように弄ばれると、オディーリアの身体はすぐに熱を帯びて全身の細胞が彼を求めはじめる。
オディーリアはくすりと笑いながら、彼を振り返った。彼の嫉妬心や独占欲はくすぐったいが、オディーリアはひそかに嬉しく思っていた。これまで、親兄弟からさえも愛されたことなどなかったから。レナートに出会って初めて、愛される喜びを知った。誰かが自分を必要としてくれる。それがこんなにも、心と身体を満たしてくれるなんて。
イリムに会いたいのは、レナートのそばにいたいがためだ。オディーリアだってレナートのことしか考えていないのだが……彼はそこには気がついていないようで、いまオディーリアの頭を占めているなにかに激しく嫉妬している。
むくれた顔で彼は言った。
「俺だって、意外だったさ。お前は特別だ。みっともないほどに執着して、片時だって手放したくない」
レナートの指先がオディーリアの耳元をくすぐる。耳が弱いオディーリアは小さく声をもらした。
「もっと聞きたい。お前の声は病みつきになる」
しわがれて醜くなったこの声さえも、彼は愛してくれる。幸せで、なんだか怖いくらいだった。
レナートは耳たぶを軽く食みながら、オディーリアの胸元に手を差し入れた。焦らすように弄ばれると、オディーリアの身体はすぐに熱を帯びて全身の細胞が彼を求めはじめる。